森トラストは、赤坂ツインタワー本館・東館(東京都港区)の建て替えに当たり、15年度末~16年度初めに開発計画地で都市再生特別地区の都市計画決定を目指す方針を固めた。特区指定で計画地の容積率は現在の700%から1000~1200%程度に引き上げられるとみられる。同社はさらに大規模な開発を目指し、隣接する建物の権利者と共同で開発事業を進める考えだ。
同社の吉田武副社長は「(都市計画決定に向けた)手続きは緒に就いたばかり。これから最低1年はかかる」との見通しを示した。既存の赤坂ツインタワー本館・東館(敷地面積1万1866平方メートル、地下4階地上18階建て延べ9万8050平方メートル)は、昨年4月に大成建設の施工で解体に着手した。現在は躯体のほとんどが解体を終えている。4月末までに地上部の解体を終え、その後は駐車場などとして暫定利用する予定。建て替え後は、1棟の超高層ビルになる見通し。計画によると、主な用途はオフィスで、オフィスワーカー向けの商業施設も配置する。同社が東京都港区の虎ノ門パストラル跡地で計画している「(仮称)虎ノ門四丁目プロジェクト」と同様に、増加が見込まれる外国人観光客などを対象にしたホテルやサービスアパートメントの設置も検討している。
特区指定に必要な公共貢献の取り組みも検討中。同社は、近接地で建設が進む「赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業」など周辺一帯の開発と連続性のある緑地や緑道の整備、東京メトロ南北線・銀座線溜池山王駅に直結する歩行者動線の確保などを提案する考えだ。開発事業の範囲は現時点で未確定だが、赤坂ツインタワーの隣接ビルを購入したり、近隣の地権者と共同で事業を進めたりして、4000坪(約1万3200平方メートル)程度の敷地を確保する見込みだ。建て替え後のビルの完成時期に関しては、昨年3月に同社の森章社長が記者会見で「2020年の東京オリンピック開催に間に合うように事業を進める」と意欲を示していた。
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