個人の資金をインターネットで集め、不動産に投資する動きが広がっている。運用会社が小口資金を募るクラウドファンディング(CF)の手法を使い、1口1万円などと募集。低金利が続くなか、比較的高い利回りを期待する個人投資家の関心をひき付けている。運用会社はネットを活用することで資金調達手段を多様化する狙いがある。
不動産運用のケネディクスは2018年春にも、CFの手法で個人から集めた資金を基にオフィスや住宅への投資を始める。投資物件の家賃収入を配当として個人に還元。利回りは年2~3%を想定している。
1~2年といった、あらかじめ決めた運用期間が過ぎると出資者に出資金を返還する。ケネディクスにとっては資金調達の裾野が広がる利点があり、数年内に運用資産を100億円程度に増やす計画だ。
不動産運用のロードスターキャピタルは11月中旬、京都市内の町家を対象とした投資資金をCFで集めた。1口1万円で集め、町家を宿泊施設に改装して運営する事業者に貸し付ける。貸付先からの利払い収入を個人に還元する。利回りは年5%を予定している。
同社は10月にも東京都中央区銀座の商業ビルなどへの投資案件として4億50万円をネットで募集。8日間で1075人から資金を集めた。
個人が比較的少ない資金で不動産に投資する手段としては不動産投資信託(REIT)もある。ただ、最低投資額が10万円を超えるものが多い。CFは手軽に小口投資できるとして、個人投資家に魅力的に映るようだ。
ただ、CFの仕組みによる不動産投資は運用期間中に出資したお金を原則、引き出せないことが多い。集めた資金で投資した不動産が出資者に分からない場合がある点も注意が必要だ。
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