総合地所は昭和52年に創業以来、首都圏と関西圏で「ルネ」シリーズでマンションや戸建て事業を展開しており、これまでマンションは約6.4万戸を供給。最近はソリューション事業、賃貸管理業、アセットマネジメント事業にも力を入れてきた。
長谷工コーポは、同社グループの56万戸を超える施工実績と、総合地所のデベロッパーとしてお客さまと直接かかわってきたノウハウが融合することで相乗効果が高いと判断して株式取得を決議したとしている。
総合地所の平成26年度3月期の売上高は38,787百万円、営業利益は924百万円、経常利益は772百万円。
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このニュースには驚いた。記者は新米のころ、安宅産業が破たんし、その住宅部門の営業を承継し、安宅地所を設立したとき、古いビルの一室で当時の役員に取材し、デベロッパーとして独立する決意を聞いた。それからずっと取材してきたし、応援もてきた。その後、同社はレベルの高いマンションを供給してきた。
思い出すのは、昭和58年当時のマンション不況期のころだったか。長谷工コーポレーション(当時長谷川工務店)もデベロッパーから敬遠されていた。「長谷工ブランド」では売れなくなったからだ。「長谷工隠し」という、マンションの広告から施工する同社の名前を掲載せず、建築現場のシートの「HK」マークを別のシートで覆い隠したこともあった。
ところが、当時の安宅地所は施工・施工は長谷川工務店だったが、商品企画に確か日建ハウジングだったか東急設計だったかを絡ませ、素晴らしい「ルネ蒲田」(214戸)を分譲して早期完売した。うる覚えだが、1階部分の住戸は専用駐車場付きとしたはずだ。
同じころ分譲した「ルネ蕨」(342戸)もふんだんに樹木を植え、これも早期完売した。「ルネ御苑プラザ」(301戸)は、それまでの投資用マンションとは全く異なるレベルの高いコンパクトだった。
当時も圧倒的に施工費が安かった長谷工と設計・企画を分離することで、双方のいいところ取りをしたのが同社だった。コラボの走りだ。さすが商社(系)だと思ったものだ。マンション不況を脱出するのに同社がどれほど貢献したか言い尽くせない。日本ランディックとともにマンション商品企画を牽引した(三井不動産も頑張ったがこれは当然)。
昭和21年設立の不二建設も由緒ある会社だ。今後、不二建設と総合地所の統合もあるかもしれないが、記者としては「不二総合」なり「総合不二」(やや語呂がよくないか)を残してほしい。
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