2017年12月10日日曜日

■憧れの職住近接

最近のとあるテレビ番組。某社長を始め、有名人とお付き合いするタレントの紗栄子さんに、芸人さんたちが「どこで知り合うの?」と尋ねていた。そのとき紗栄子さんは一言。「港区とか……」
 東京商工リサーチの調査によると、社長が多く住む街の1位は3Aの一つ、港区赤坂で、2488人が住んでいる。10位までに港区は5つの町がランクイン。「かつては(大田区の)高級住宅街の象徴、田園調布などが上位にあったが、アクセスのいい東京都の中心に集まってきている」(東京商工リサーチ)
 港区人気は社長に限ったことではない。リクルート住まいカンパニーの調査によると、「住みたい行政市区ランキング(関東)」で、港区は2年連続で1位だ。2位は世田谷区、3位は目黒区と続く。「共働きが増え、職住近接がより重視されている。購入時に資産価値を考慮する傾向も強まっている」(『都心に住む』の江原編集長)
 一方、総務省の「市町村税課税状況等の調」によると、港区の住民1人当たりの所得は1100万円超。最下位の足立区(335万円)とは3倍以上の差があり、23区の中でも断トツの高さだ。
 「のみの市」も港区の場合はひと味違う。10月22日、森ビルが開催する「赤坂蚤の市」には、アンティークの食器やファブリックなどを扱う約90店が出店していた。その値札をみると、数千円はざら。中には50万円ほどの絵画もあり、客単価は4千円。散歩途中に買い物していた地元の主婦(43)は「いつもおもしろい発見があり、何か買ってしまう」そう。
 政治の中枢やオフィスの集まる千代田区、銀座などの商業地を抱える中央区に対して、港区は「オフィスもショッピングもあり、六本木などの『遊』のエリアも備える」(江原編集長)。大使館も多いため国際色も豊か。トレンド発信地としてのポジションも確立している。

0 件のコメント:

コメントを投稿