2017年6月3日土曜日

反応 東京Aグレードオフィス賃料、20四半期連続上昇

ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は2日、2017年度第1四半期の「ジャパンプロパティダイジェスト」を発表した。日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向および12ヵ月予測をまとめたもの。
 当期の東京のオフィス市場では、Aグレードオフィスの1坪当たり平均月額賃料が3万6,439円(前期比0.6%増)と20四半期連続での上昇となった。空室率は2.7%(同0.8ポイント上昇)。大手町・丸の内における新供給の空室や、赤坂・六本木・恵比寿などにおける既存ビルで顕在化した二次空室を反映した。価格は前期比2.2%増、前年比3.4%増と上昇。上昇ペースも賃料上昇と投資利回りの低下を反映し、2四半期連続で加速した。
 今後12ヵ月については、新規供給が過去10年比60%程度と比較的抑制的になることから、引き続き空室率は3%を下回る水準で推移する見通し。ただし、賃料と価格についてはともに上昇ペースが減速すると推測している。
 大阪のオフィス市場は、Aグレードオフィスの坪当たり平均月額賃料が1万7,710円(同1.3%増)と11四半期連続で上昇。空室率は3.3%(同0.6ポイント低下)となった。
 今後12ヵ月については、5四半期ぶりに新規供給が予定されているものの、空室率は引き続き5%を下回る水準で推移するとみており、賃料は緩やかに上昇する見通し。価格についても東京以外に機会を求める投資家の関心は引き続き高くなるものの、投資利回りの低下余地は限定的であることから緩やかに上昇するとしている。
 東京の商業施設市場は、賃料が月額坪当たり7万9,071円(同0.4%増)。上昇ペースは減速したものの、銀座空中階の賃料上昇を反映し、2四半期連続での上昇となった。
 物流市場は、平均月額賃料が4,134円(同横ばい)と安定的に推移。ホテル市場の需要については、都内の延べ宿泊者数が累計5,090万人で、そのうち外国人宿泊者数は1,610万人(同1.6%減)。訪日外国人客数が対前年比22%増えている一方で、都内の外国人宿泊者数は増加していない。地方へ訪れるリピーターの訪日旅行者が増えたことに加え、都心のホテル客室単価が上がりすぎた結果、周辺都市に需要が流れたことなどが要因としている。

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