東京都病院経営本部は、都立広尾病院(渋谷区恵比寿2の34の10)を移転改築する。災害時の医療体制を強化するため、東京都職員共済組合青山病院跡地(渋谷区神宮前5の53)に移転し、「首都災害医療センター(仮称)」として整備する。16年度に基本構想の策定に着手。20年度までに設計を完了し、21年度の着工、23年度の新センター開設を目指す。
現在の広尾病院は敷地面積2・2ヘクタール。SRC造地下2階地上8階建て延べ3万4100平方メートルの本館やRC造3階建て延べ2120平方メートルの別館のほか、看護学校や看護宿舎、職員住宅など7棟(総延べ4万0623平方メートル)の建物が立ち並ぶ。病床数は476床。救命救急センターや救急診療科など全27診療科を有し、都の基幹災害拠点病院に指定されているが、首都直下地震など大規模災害への対応を念頭に、災害時の医療提供体制の強化を目的に改築を検討してきた。
改築に向けては、本年度に「広尾病院整備に係る調査業務」を、現病院の設計を手掛けた伊藤喜三郎建築研究所に委託。現在地建て替えも含めて検討したが、現敷地内での大規模な建て替えは困難と判断し、移転改築することを決めた。
移転先の青山病院跡地は都有地のため用地取得は必要ないが、敷地面積が約1・7ヘクタールと現病院の敷地より狭いため、周辺の民有地も取得し、必要な用地を確保する方針だ。
現在の本館と別館は耐震構造を採用しているが、改築に当たっては、震災時にも病院運営が継続可能な免震構造へ更新することも視野に入れている。
16年度予算案に関係事業費1億50百万円を計上しており、このうち31百万円を基本構想策定に充て、年度内の策定を目指す。残る1億19百万円は、2020年東京五輪に向けて医療体制を維持するため、既存施設の改修に充てる。
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