2017年4月25日火曜日

東京23区の新築オフィス、都心集中で大規模化

森ビル(株)は25日、「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2017」の結果を発表した。
 1986年より同年以降に竣工した、事務所部分の延床面積が1万平方メートル以上のオフィスビルを対象に、需給動向を調査しているもの。一般に公開されている情報を基に、2017年1~2月に実施した現地調査ならびに聞き取り調査によって供給量を算出。新規需要(吸収量)は、該当年の新規稼働床面積(前年末の空室面積+新規供給面積-当年末の空室面積)を指し、供給量と比較するため、賃貸面積を大規模オフィスビルの平均有効率65.5%で割り戻すことで延床面積に換算している。
 東京23区における16年の供給量は、97万平方メートル(前年109平方メートル)と、前年比で減少。17年も73平方メートルと2年連続で減少する見込み。今後5年間(17~21年)の平均供給量は103万平方メートルで、過去平均並みとなるが、18年および20年は、140平方メートル・163平方メートルと突出して供給量が増える予定。建築費の高騰などによる竣工時期の後ずれなどが影響している。また、事務所の延床面積が3万平方メートル以上(供給量割合85%)はもちろん、10平方メートルを超える大規模物件が増えるほか、複合開発やインフラの一体整備案件などが多くなるとした。
 都心3区(千代田区、中央区、港区)における16年の供給量は70万平方メートル(前年78平方メートル)。 今後5年間(17~21年)の平均供給量は70万平方メートルと、23区全体における約7割を占める。特に18~20年の供給は「丸の内・大手町エリア」(104平方メートル)、「芝浦・海岸・浜松町エリア」(61平方メートル)など、3区内の中でも特定エリアに集中するとした。
 16年の23区の吸収量は119万平方メートル(前年114平方メートル)と供給量を上回った。それに伴い空室率は3.2%(前年末比0.7ポイント低下)と4年連続で改善。17年の吸収量・空室率は81平方メートル・2.8%、18年は131平方メートル・3.0%を見込む。3区の吸収量は71万平方メートル(前年75平方メートル)で、16年末の空室率は3.4%(前年末比0.2ポイント低下)。
 同社営業本部マーケティング部部長の山口 嘉寿明氏は「都心のオフィス市場は、90%超える入居率が多く、賃料も高止まりで、空きが出るとすぐに借り手がすぐつく状況。長期的にも賃料や空室率の悪化は予想していない。経済状況などが大きく変わらなければ、21年以降も供給は一定以上続き、需要も外資系企業などを中心に堅調だとみている」と話した。

2017年4月24日月曜日

反応 首都圏既存マンション、わずかに弱含み

(株)東京カンテイは24日、2017年3月の三大都市圏中古(既存)マンション70平方メートル換算価格の月別推移を発表した。
 首都圏の既存マンション平均価格は3,581万円(前月比0.1%下降)とわずかながら4ヵ月ぶりに弱含んだ。都県別では、東京都が4,815万円(同0.6%下降)、千葉県が1,940万円(同0.3%下降)で小幅に下落。埼玉県が2,090万円(同0.7%下降)と前月に引き続きマイナスで下落率も拡大した。神奈川県は2,804万円(同0.3%上昇)と、15年10月以降、堅調な推移を維持している。
 近畿圏の平均価格は2,126万円(同0.7%上昇)と5ヵ月連続でプラス。上昇率自体も再び拡大した。大阪府は2,293万円(同0.3%上昇)と緩やかな上昇基調。兵庫県は1,868万円(同0.8%上昇)と、ここ3ヵ月間ではコンスタントな上昇を示している。
 中部圏の平均価格は1,692万円(同0.5%上昇)。愛知県は1,808万円(同0.0%)と横ばいであった。

2017年4月15日土曜日

首都圏中古マンション成約、前年比増を回復

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10日、2017年3月度の首都圏不動産流通市場動向を発表した。
 同月の首都圏中古マンション成約件数は3,719件(前年同月比3.6%増)と2ヵ月ぶりの増加となった。都県別では、東京都が1,948件(同7.9%増)、埼玉県が456件(同8.8%増)、千葉県は458件(同5.0%増)、神奈川県は857件(同7.8%減)と神奈川県を除き前年同月を上回った。 
 1平方メートル当たりの成約単価は49万2,800円(同3.2%上昇)、成約価格は3,145万円(同2.9%上昇)となり、いずれも13年1月以降51ヵ月連続で前年同月を上回っている。
 新規登録件数は1万6,830件(同2.7%増)と、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。在庫件数は4万2,877件(同5.4%増)と、22ヵ月連続の増加。
 一方、中古戸建ての成約件数は1,300件(同2.9%増)と3ヵ月ぶりの増加。平均成約価格は3,063万円(同1.2%上昇)と2ヵ月連続で上昇した。

2017年4月14日金曜日

反応 銀座・松坂屋跡地の商業施設が開業/森ビル

森ビル(株)が参加組合員およびコーディネーターとして参画してきた「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)の大規模複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が、20日全面開業する。それに先駆け14日、商業施設等が報道陣に公開された。
 東京メトロ「銀座」駅徒歩約2分に立地。「松坂屋銀座店」跡地を含む2つの街区(約1.4ha)を一体的に整備した。敷地面積約9,080平方メートル。延床面積約14万8,700平方メートル。鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造地上13階地下6階建て。「観世能楽堂」が入る文化・交流施設(地下3階)、商業施設(地下2階~地上6階、13階の一部)、オフィス(地上7~12階、13階の一部)のほか、観光バスの乗降所や観光案内所、屋上庭園などで構成する。
 商業施設は、国内外のブランド241店舗が出店し、その半数以上が旗艦店。中央通り沿いには、「セリーヌ」や「ディオール」など6つのラグジュアリーブランドが2~5層の大型旗艦店を出店。各店舗がそれぞれデザインしたファサードをつくり上げることで、“のれん”をイメージした外観に仕上げた。従来にはないカフェサービスなどを併設した店舗もある。地下1階のビューティーフロアは、個室を設け、ゆったりと化粧品等を試すことができるようにした。地下2階の食品フロアでは、地方の老舗や名店の新形態なども出店している。
 5階には、上位顧客向けラウンジ「LOUNGE SIX」(約100坪)を設置。設計を「新素材研究所」に依頼し、日本古来の素材による内装やインテリアにこだわったほか、写真家・杉本博司氏の作品を常設展示するなど、特別な空間を創出。コンシェルジュが常駐し、パーソナルスタイリングを行なうなど、施設自体と顧客が直接交流できる場として活用する。
 また、アートとの融合をテーマに、各所に作品を展示。3~5階フロア中央の吹き抜け部分には、2月までの期間限定で、前衛芸術家・草間彌生氏のアート作品を吊り下げており、その後も森美術館監修のもと空間演出を行なう。
 1階には、三原通りに付け替えた区道に面して観光バス乗降所を併設。その前に位置するツーリストサービスセンター「TERMINAL GINZA」は、観光案内や外貨両替、手荷物一時預かり・宅配サービスのほか、ローソンの新形態「トラベルローソン」が入居。通常商品以外に、銀座の名店の品を置くといったセレクト商品も取り揃え、来場者が楽しめる空間を演出した。同地では、オリジナルコンテンツを企画・発信するなど、随時イベント開催なども行なっていく予定。
 地下3階の「観世能楽堂」(480席、約1,600平方メートル)は、舞台には人間国宝や重要無形文化財総合指定保持者が多く出演する。能面、 能装束、源氏物語や平家物語、万葉集などの国文学、伝統的な音楽などのエッセンスが詰まった能の劇場とする。日本の伝統文化の発信拠点として、訪日外国人観光客に向けた多言語対応システムを今後導入する予定。また、地域に開かれた多目的ホールとしてさまざまなイベントなどにも利用できるほか、 災害発生時には約1,000人の帰宅困難者の一時滞在スペースとしても活用する。
 1月に竣工済みのオフィス部分は、クリエイティブ系や人材、IT企業など、8割程度テナントが決まり、一部で入居が開始した。ワンフロア面積が約6,140平方メートルと都内最大級であり、「他にない広さ・立地」を理由に入居を決めた企業が多かったという。
 年間目標は、来場者数が2,000万人、売上が600億円。

2017年4月13日木曜日

住戸専用宅配BOXで再配達ゼロ目指す

(株)大京は10日、(株)フルタイムシステム(東京都千代田区、代表取締役:原 幸一郎氏)と共同開発の住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を発表した。
 同社がこれまで供給してきた新築マンションにおける宅配ボックスの設置率は、総戸数の約15%にとどまっており、一部の物件では「満杯で受け取りができない」との声があがっていた。インターネットショッピングの利用率増に対し、共働き増加による不在時間が増えており、再配達率の急増が問題となっていることなどから、住戸専用宅配ボックスを設置。「再配達ゼロ」を目指していく。
 総戸数50戸のマンションには、全戸に対応する住戸専用ボックス50個を用意。全国の約9割をカバーする大手3社(日本郵便(株)、ヤマト運輸(株)、佐川急便(株))でボックスを同時利用し、複数の荷物を同時収納する。メールボックスと一体化することにより、省スペースで効率的な荷物の受け取りを実現する。また、住戸専用ボックスに入りきらないサイズの荷物用として、従来型の宅配ボックスも11個整備。着荷メール通知や、一定期間内に荷物を受け取らない居住者に対しては、フルタイムシステムのコントロールセンターから連絡を入れるなど、ソフトサービスも充実させる。
 2017年度竣工の5物件にて導入を開始(首都圏、北海道)。18年度竣工の物件については、全国10物件での導入を予定している。併せて、大京グループが管理する既存マンションにも、大規模修繕等のタイミングで管理組合に提案していく。

2017年4月1日土曜日

渋谷キャスト、4月28日に開業/東急電鉄

「渋谷キャスト」外観

 東京急行電鉄(株)は30日、開業を目前とした「SHIBUYA CAST.(渋谷キャスト)」をはじめ、渋谷駅周辺の再開発についての最新情報を発表した。
 渋谷キャストは、明治通り沿い、旧渋谷川歩道(キャットストリート)の渋谷側の起点に立地。敷地面積約5,000平方メートル。延床面積約3万5,000平方メートル、地上16階建ての賃貸住宅、事務所、商業施設の複合施設。住宅(80戸、13~16階)は、一般賃貸住宅、サービスアパートメント、クリエイター向けコレクティブハウスと全入居者が利用できるコモンスペースで構成。オフィスも基準階面積約400坪の通常フロア(2~12階)以外に定員100人超のシェアオフィス(1~2階)も設ける。建物前面には800平方メートルに及ぶ広場を整備するほか、渋谷区主体でキャットストリートに中央分離帯のかたちで公園を設置する事業も進めており、一帯に憩いの場を形成。同施設を基点に広域で回遊性を上げていきたい考え。
 入居者は、一般向け住戸(38戸、1R~3LDK)は現在募集中で9割程度申し込みが入っている状態。コレクティブハウスは、コミュニティづくりや情報発信を積極的に手掛けてくれるクリエイター等を選定しており、現在約半分程度が決まっている。サービスアパートメントは4月下旬頃、募集を開始する予定。
 オフィスは、アパレル大手の(株)ベイクルーズ等が、商業施設は「THE RIGOLETTO」等4店舗が決定しており、いずれも満室。シェアオフィスの個室もすべて成約済み。
 商業施設の開業は4月28日。オフィス、住宅は5月以降入居開始の予定。
 また、東急東横線線路跡地に新たな施設「渋谷代官山Rプロジェクト」を開発すると発表。「渋谷」駅南側の同線路跡地で現在開発を進めている「SHIBUYA STREAM(渋谷ストリーム)」から代官山方面へ約600m南下した、全長70mと110mにわたる2つの敷地に、保育所(A棟)、ホテル・事務所・店舗の複合施設(B棟)を建てる。A棟は、延床面積1,248平方メートル、鉄骨造地上3階建て。B棟は、延床面積4,392平方メートル、鉄骨造地上7階建て。ホテルは、シティホテルやビジネスホテルではない、さまざまなタイプの客室を整備したホテルを検討している。
 なお、開発名の「R」は、東横線最大のカーブ地点に位置していること、「鉄道(Rail-Road)」「再生(Reborn)」「継ぐ(Relay)」という意味からとられている。
 開業は2018年秋を予定。
「渋谷代官山Rプロジェクト」A棟外観イメージ
(写真提供:東京急行電鉄(株))
「渋谷代官山Rプロジェクト」B棟外観イメージ
(写真提供:東京急行電鉄(株))
【港区×高級賃貸×六本木】
【六本木グランドタワーレジデンス 最新空室情報】